協議、調停、裁判離婚の違い

協議、調停、裁判の基礎知識

協議、調停、裁判離婚について
離婚を成立させるためには多くのことを2人で決める必要があるのですが、話がまとまらずスムーズに離婚が成立しない場合も少なくありません。
離婚時に決める必要がある項目は主に以下になります。

  • ・お互いが離婚に同意する必要があります。
  • ・財産分与(負債がある場合には負債も)を決める必要があります。
  • ・子供がいる場合には親権を決める必要があります。
  • ・養育費の取り決めを行います。
  • ・離婚原因によっては慰謝料の請求が可能です。
これらの事柄に双方が合意できれば、離婚はスムーズに進むのですが、現実として争いが起きるケースも少なくありません。

離婚をする場合には以下の順番で進めていくことが一般的です。

  • 「協議離婚」お互いの話し合いでの離婚
  • 「調停離婚」調停委員による仲介役を利用しての離婚
  • 「裁判離婚」裁判所の判断で離婚が成立

協議離婚、調停離婚、裁判離婚の違いと特徴

協議、調停、裁判離婚の違いと特徴
離婚をする方の多くは、お互いの話し合いによる「協議離婚」で離婚が成立しており、離婚者全体の85~90%が協議離婚を行っています。最も一般的な離婚方法で、お互いに納得が出来れば特に条件が無く離婚が成立する事になります。
お互いの話し合いで離婚が成立しない場合には、次のステップとして調停による離婚を目指す事になります。
調停は裁判所で行われますが裁判とは異なり、強制力が無い反面、離婚原因も特に必要ありません。
調停による話し合いでも離婚が成立しない場合には、裁判により離婚を成立させることになるのですが、裁判で離婚を成立させた方は離婚者全体の1~2%と少なく、多くの方は「協議離婚」「調停離婚」が成立している事になります。
下記でそれぞれの離婚方法と特徴を詳しく説明しています。

協議離婚
協議離婚とはお互いの話し合いで離婚が成立することを言います。お互いが同意が出来れば離婚条件等は無く、何時でも離婚をすることが出来ます。
ただし未成年の子供がいる場合には、離婚時に親権を決める必要があります。
協議離婚とは双方が「離婚すること」と「離婚条件」に納得できれば、離婚届を記入し届け出ることで離婚を成立させることになります。
協議離婚のメリットとしては、離婚届けを提出するだけですので、費用や時間が掛からず直ぐにでも離婚を成立させることが出来る所になります。
この手軽さから協議離婚では、弁護士等に依頼する方はまだまだ少数であり、財産分与、慰謝料、養育費などの取り決めが行われていない場合や、取り決めを書面として残していない場合も多く、後々トラブルになるケースも多いようです。
離婚時にはお互いの仲が険悪になっており、早く離婚を成立させたいと考える人も多いようですが、今後の生活や子供の養育にはお金が必要になります。
こんな時こそ冷静になり、離婚時には細かな取り決めを行うことをお勧めします。
協議離婚であっても弁護士に依頼することで、これらの取り決めをお願いするとともに、取り決めを書面に残すことをお勧めします。
調停離婚
調停離婚とは正式には「夫婦関係調整調停」と言い、裁判所に調停を申し出ることで、調停委員が2人の間に入って話し合いを進め、お互いの合意を目指すことを言います。
調停には法的な強制力がないため、お互いが合意できない場合には、離婚を成立させることは出来ません。
ただし、夫婦2人だけでは話し合いが進まない場合でも、調停委員が間に入り話し合いを進めることにより、お互いが離婚に合意する可能性は高くなります。
調停離婚は裁判所で行われますが、裁判とは異なり費用もさほど掛からず数千円程度で可能です。また、一般に公開された法定で行われるのではなく、非公開の調停室で行われますので、あなたのプライバシーも守られます。
調停委員が話し合いを進めるもう一つのメリットは、財産分与・慰謝料・養育費・親権などについても話し合いが行われ、合意内容は書面として残るため、のちのち問題が起こりにくいとも考えられます。
あなたが調停を申し出た場合でも、調停委員はあくまでも中立的な立場であり、あなたの見方をしてくれる訳ではありません。
そのため、あなたの意見を代弁してくれる、弁護士に話し合いを依頼するケースが多くなっています。
相手が弁護士に依頼しているケースや、譲れない離婚条件がある場合、双方の主張する離婚条件がかけ離れている場合などでは、弁護士の力を借りた方が良い結果になることも多いようです。
審判離婚
調停を行った結果、夫婦間にわずかな意見のずれがあるだけで、離婚は認めた方がよいといった場合もあります。
このような場合に、審判離婚が利用されることがあります。
審判離婚とは「家庭裁判所は当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のため、離婚、離縁、その他必要な審判をすることができる」という法律により、裁判官の判断により調停が不成立になった場合でも、職権をもって離婚を言い渡すことができる制度のことです。
ただし、審判によって自分に不利な決定がなされた場合には、2週間以内に異議申立てをすることが出来ます。
異議申立てを行うと審判が無効になり、離婚が成立することはありません。
これが審判離婚の弱点になっており、審判離婚の事例が少ない理由のひとつでもあります。
そのため調停による離婚が不成立になった場合には、裁判により離婚を成立させる方法が一般的になっています。
裁判離婚
調停や審判で離婚の話し合いがまとまらなかった場合には、裁判で離婚を成立させる方法しか残されていません。
裁判による離婚では、夫婦が「原告」と「被告」という立場に立って争うことになり、最終的な離婚の決定権は裁判官になります。
裁判には法的な拘束力がありますので、一方が「離婚に反対の場合」や「離婚条件に納得が出来ない場合」でも離婚を成立させたり、離婚条件を決めることが出来ます。
その反面、あなたにとって納得がいく判決が出なかった場合でも、裁判所の判決には従わなければいけません。
裁判による離婚には法的な力があるため、法律で定められている「法定離婚原因」が無ければ離婚を成立させることは出来ません。
つまり、あなたの離婚したい原因が、法的に認められた場合のみ離婚が成立する事になります。
裁判は公開の法定で行われる原則があり、離婚で行われる裁判も例外ではなく公開されることになります。そのため傍聴席などに知り合いなどが興味本位で見に来ることも可能で、あなたのプライバシーが保たれないデメリットもあります。
もう一つの問題として、それなりの費用と期間が掛かることにあります。
離婚による裁判は数万円ほどで可能ですが、その他に弁護士費用が掛かる事になります。
弁護士に依頼せずあなた個人で裁判を行うことも可能ですが、個人で行った場合には判決が不利になる可能性もあるため、一般的には弁護士に依頼する人が大半になります。
弁護士費用は依頼内容により大きく異なるため一概には言えませんが、おおよそ50万円~150万円位になることが多いようです。

協議離婚での成立を目指す方法

協議離婚で成立を目指す方法
離婚をするには大変な労力が掛かるだけでなく、精神的な苦痛も大きく感じる方が多いようです。
そのため、誰もが早期に希望の条件で離婚を成立させたいと思うものです。
最も早く離婚が成立し精神的な苦痛が少ない方法は、協議離婚を成立させることになります。
協議離婚を成立させるためには、いくつかのコツがありますので紹介していきます。

感情的にならず冷静な話し合いが大切
離婚をするということは2人の関係性はうまく行っていない場合が多くなります。
そのためか、離婚での話し合いが進まない一番の原因は、お互いの仲の悪さによる問題になります。
あなたが感情的になれば相手も感情的になり、その場で話し合いが進まなくなってしまいます。
その気持ちは十分わかりますが、穏やかな話し合いを行うことが最も大切になります。
2人だけの話し合いでは感情が入ってしまう場合には、共通の知人に間に入ってもらうことも方法の一つです。ただし、この知人がどちらかの味方をしてしまうと、話が余計にこじれてしまいますので注意が必要です。
後でも紹介しますが、このような場合には協議離婚でも、弁護士に依頼する方法が最も良いと考えられます。
離婚条件を再確認
あなたの希望する条件を、全て相手が認めてくれれば良いのですが、多くの場合でそのよに話は進みません。
まずは冷静になり、自分の希望条件が一般的に正しいのかを確かめてみましょう。あなたが常識的でない希望を出している場合には、相手が認めない可能性も高くなり、仮に裁判まで行っても認められないと考えられます。
次に絶対に譲りたくない条件と、多少は譲っても良い条件を考えてみましょう。
例えば親権は必ず取りたい最優先課題であっても、財産分与では多少の金額は譲れるなどがあると思います。
もちろん、不利な条件で離婚を成立させることを進めている訳ではなく、お互いに譲り合って納得がいく条件を探すことが大切になります。
どうしても早く離婚を成立させたいと考えたり、お金を取ることがみっともない考える方も居るようですが、子供が居る場合にはしっかりと話し合いを行いましょう。
実際に生活や子育てをするには多くのお金が掛かり、後になって後悔している方は非常に多くいるようです。
慰謝料や財産分与には時効がありますので、離婚時に決めることをお勧めします。
事前に証拠を押さえておく
浮気やDVなどが原因で離婚をする場合には、法定離婚原因にあたる証拠を押さえておくことが大切になります。
今は浮気を認めていても、調停になった場合には態度が変わるケースは非常に多いものです。
浮気の証拠があっても、裁判以外では意味がないのではないかと考える方も多いようですが、そのような事はありません。
裁判を行っても負けるような証拠がある場合には、相手も自分の置かれた状況を理解しており、多くのケースで協議離婚に応じているのです。
裁判で通用する証拠を押さえる事は、協議離婚を成立させるための「武器」になると考えることが出来ます。
浮気やDVの証拠は、離婚の話が出てからでは手に入れることが難しくなってしまいます。そのため、あなたが離婚を考えた時点で手に入れる必要があり、離婚の話し合いはその後から行う必要があります。
浮気などが原因で離婚をした人の多くが、事前にその証拠を押さえて置けば良かったと答えています。
自分で揃えることが出来ない場合には、探偵事務所に相談してみると良いでしょう。
弁護士に依頼する
協議離婚であっても弁護士に依頼するメリットは多くあります。主なメリットは以下のような部分になります。
  • ・相手との話し合いを弁護士が行ってくれるため、感情的になり話がこじれる可能性を減らすことが出来ます。
  • ・弁護士が見方をしてくれる安心感があげられます。
  • ・あなたの言った言葉よりも、弁護士の言葉には重みがあり正しいと感じる方も多いようです。
  • ・より良い条件やでの離婚が成立する可能性が高くなります。
  • ・慰謝料や養育費などの取り決めを、正式な書面にしてくれるため、後々揉める可能性が低くなります。
  • ・調停や裁判離婚にならずに話がまとまる可能性が高くなります
その他にもたくさんのメリットがありますので、協議離婚であってもお互いの話がまとまらない場合には、弁護士に依頼することをお勧めします。